今回箱根駅伝を制した青山学院大学の優勝は、大方の予想を覆るものでした。スポーツ紙などほとんど下馬評に乗らず何よりも原監督本人が一番驚いていたのではないでしょうか。私は、母校の駅伝部の応援のために、夏の菅平合宿に何度か参加したことがありました。当時の青山学院は早稲田と合同合宿をしていましたが、かなり実力的には見劣りをしていました。予選会で落選をして本大会出場にはほど遠い存在でした。しかし強豪校の早稲田の練習方法など取り組んできた成果が実ったものといえます。何よりも優勝をもたらしたものは、彼らのさわやかな笑顔であり、将来の日本の陸上競技に大きな一石を投じるものであります。従来の伝統校に強力なインパクトを与えるものでありますし、陸上競技の指導者にも、大きな影響を与えるものと思います。
一方、母校・早稲田大学は、全日本大学駅伝の失敗を箱根でも繰り返したようです。その意味では、優勝候補の一万メートルの平均タイムを比較したデータは参考になりますが、駅伝というスポーツの魔力というか、選手10人の当日のコンデションやチームワークなどデータだけでは判断できない駅伝の面白さであり、それが魅力と言えます。
駅伝ファンの声援に応えられませんでしたが、なんとかシード権は確保したことは幸いといえますし、渡辺監督退任により後継の新監督のもとで創部100年を迎えた早稲田らしい伝統ある競走部発展を果たしてもらいたいと思います。港稲門会の皆様の母校への一層の応援をお願いします。
(文:応援部会世話役 杉原俊雄) |